通信制限がきている。


から、この文章はメモ帳にぽちりぽちりと打ち込んでいる。ブログにアップするのは、Wi-Fi環境のある自室に戻ってからだ。



引っ越しをした。A県から新幹線で3時間のB県から、B県から新幹線で3時間のA県へ。


住むところは寮みたいな寮じゃないみたいな、そんな感じのところ。食事は基本一日2食出る。洗濯機のみ共用だ。


本日入寮してものの数時間、もう耐えきれなくなり外に散歩に出る。今日は日中細々とした買い物に歩き回りもう動きたくない心境だったにも関わらず。


西の空に紫だちたる雲がもわもわとたなびいていたので、思わず引き寄せられるようにそちらに歩く。カメラを構えたが、やめる。どうせすぐ消えゆくカラー。目に残しておこう。


ベンチに腰をかけて、ようやくマスクを外せる。マスクが世界から消えたらわたしはどうしようか。マスクを追って、過去も未来も、星座も超えられるかもしれない。


出不精のわたしが散歩に出るくらいだから、環境はとても素敵なところだ。心地よい。これだったら、毎晩のジョギングだって続いたりして。今日は、疲れたからやらないけど。



ところでわたしはチョコミン党なので、発売後から虎視眈々と狙っていたファミリーマートのチョコミントフラッペを買いに行く。財布と反比例して、ああ、最近やけにお腹がぽよりんぽよりんしているようだ。


まだ空の青の密度が高いうちから、今日も月は見え始めていて、この間と同じ、白みの強いその光はまるでカップからスプーンで掬ったバニラアイス。ああ、口の中は既にレディー・チョコミントだけれど、バニラアイスも食べたくなってしまった。


◇◆◇


コンビニでチョコミントフラッペを買う。食べ方を教えてくれた店長さんはナイスガイ。若いときはさぞモテたんじゃなかろうかと、余計なお世話を焼く。おっと、あんまり焼いてはアイスが溶ける。


再びベンチに腰掛けて、さっそくいただく。駅を出てすぐのところにあるコンビニだから、まるでチョコミントフラッペを飲みたくて我慢できず途中下車しお金を払う間も惜しくしゃぶりついている人みたいだ。少し、笑えた。



わたしもだんだんと、ここの風景になっていくのだ。道ゆく人を眺めながら、そんなことを思う。そしてだんだん背景へとなっていくのだ。なれるのだろうか、わたしに。


半袖に軽く羽織っただけの格好できたわたしにはそろそろ吹く風も冷たさで帰れとの警告を寄越す。寒い。帰ろ。


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*月が真上に ふみ