たいてい、夜。
どうしようもなくなったとき。
思考は血管を通るわけじゃないのに、血管が詰まって、そのまま脳が硬直、ううん、破裂、しそうで、たまらなくなると。
はなしたい、はなしたい
心臓が膨れ上がる。たった5文字ぽっちの欲望で無駄に無意味に膨れ上がる。叶わなくて届かない手。腕の長さなんて関係ない。
わたしがわたしで良かった。わたしがわたしじゃなかったらきっと駄目だった。摂理に許されない執着でよかった。
壊れて壊れてとまらないのは、今だけ。大丈夫、今だからだ。
わたししかいない世界はもうすぐ終わる。戸籍をとらずにひとり紛れた唯一わたしじゃない住人は、すぐに正式な住人たちに混ざってだんだん忘れていく。大丈夫。今だけ。
夜なんか、来ずに終わってしまえばいい
きらいだ、だいきらいだ、心臓が肥大するだけの夜なんて。