2017-12-01から1ヶ月間の記事一覧

* 不良少女、煙草を片手に * ふと思い出したことがあって、考えてみたいこと。 虚構と現実、フィクションとノンフィクションの話。 最初に文章を書きたくてTwitterのアカウントを作ったときは、繋がりたいタグなんかを使って、闇雲まではいかない程度には…

* 不良少女の回顧記録 * 生まれて初めて泣いた本の話をしようと思う。 * 物心ついた頃から活字が好きだった。今ではそこまでしないけれど、小学生のときは食卓の醤油のラベルさえ食い入るように見ていた。何気なく散らばったチラシや新聞の字を拾うのに夢…

放課後、ヤツの言い分

でもなんていうか、きみは命の起源を知らないわけで、というのはつまり犯罪の果てやあるいは、山ひとつ燃やしてしまうような情熱的ラブロマンスの残骸がきみの誕生でないとは言い切れないわけで、そうなってくると人はみな、と、いうより、存在する命はみな…

無題

過去が窓から顔を出して言ってくる。「きみ、もう少しステキな人だったじゃない」私もそう思う、と返すと、持参したと言うカエル型のマグカップを差し出して、過去は「おかわり」と言う。ポットからコーヒーを注ぐと、湯気が立ち上る。「寒いよ。締めてよ、…

銀色

接吻の雨に濡らされるくらいなら2月の雪に濡れたい。足を休めるために寄ったカフェの隣の席では処女の思い出でえらく盛り上がっていた。かちゃかちゃと控えめに鳴りながら白い皿の上でフォークを動かすとデニッシュ生地がぱらぱらと割れた。ポロの助手席で耳…

息を止めてみせて、その瞬間の音をみせて

ダサいTシャツを着てさあ ぼさぼさの頭で なあんにも知らないままで良かったんだよ、爪の先、この数ミリの隙間が気持ち悪くて、削り取っていくからあたしの爪は短い、爪に罪はないのに。どうしたらあたしたち、また会える、安い低脂肪乳じゃホットミルクにし…

ホット・ハニー・ウォーター «2»

公園にいるのも飽きて帰ると、リビングのテーブルの上に置き手紙があった。 「ハニーへ 学校おつかれさま! 今日のおやつは、特別にプリンがあるのよ。手を洗ってから食べてね ママより」 うっすらマーブルの模様が入ったメモ帳の、空いた部分にはクマのよう…

まばたきほどのシンデレラ

かろうじて物心がついたばかりのあれは、たぶん、五歳の誕生日。というのは、三歳にしては自分はしっかり親戚のおじさんおばさんに挨拶をしていたし、六歳にしては並べられたプレゼントが子供っぽかったように思うから。 そのリボンは、確か新鮮な血液みたい…

火照らない

ぽろりと剥がれたコンタクトレンズ、 裸眼1.0の人間に等しく罪はないということ。 * 10月23日あの子に前言ったことがあるんだよねえ。遥の人となりに嫉妬しちゃうことがあるって。そしたら言われたの。遥は最初から何でもできるわけじゃないよ‬って。私やっ…

* 不良少女の超日記 * * こないだ予備校で「5億円あたったら?」という話題に。「整形して男侍らせたい」って言ったら「整形しても男は侍らないよ、男は金だよ」と男に言われたけど君のような人をお呼びではないし、そこにそもそも因果関係はないわけ。き…

しつこいよ、というくらい言っていたことだけど、わたしの名前は百人一首からとった名前です。聞かれてもいないのに名前の由来を話すのが好きでした。音といい、ひらがなのときのシルエットといい、そして漢字といい、この世で一番すてきな名前だと思ってい…