不良少女の回顧記録

 

生まれて初めて泣いた本の話をしようと思う。

 

 

物心ついた頃から活字が好きだった。今ではそこまでしないけれど、小学生のときは食卓の醤油のラベルさえ食い入るように見ていた。何気なく散らばったチラシや新聞の字を拾うのに夢中になって箸が止まり、親に怒られていたことを覚えている。

書きながらふと、生まれて初めて読んだ本は何なのだろう、という考えがよぎる。今まで不思議と考えたことがなかった。

思い返してみると、一番最初に読んだものではない確信はあるけれど入園前に家にあった本の中に、五味太郎さんの絵本があったことを思い出す。同じひらがなが五つ並んでるやつ。調べてみると「ぽぽぽぽぽ」と「るるるるる」があった。表紙を見ていると「ぽ」だったような「る」だったような、はたまたどちらも持っていたような……

それから、帽子をかぶったネコ。英語の絵本だ

 

 

The Cat in the Hat

The Cat in the Hat

 

 

 

こんの毒々しい青! それに、幼稚園児が触れるにはなかなかシュールでクセの強い絵。当時私は畏怖のようなものをこのブツ(絵本)に抱いていた。

当時はもちろんだけど今でさえも原文のまま100%を理解はできない気がするのだが、なんとなーく絵で勝手に物語を決めつけながら、もしやこれが私の持つ概念「アクロバティック」の起源なのかもしれない。(?)

 

余談ですが畏怖といえば、幼稚園児〜小学校低学年のとき、私には怖いものが二つあった。

一つが、NHK教育テレビの「えいごリアン」のオープニング。伝わる人いるかなあ、あの「えいごリアーン」の甲高い声と共に(あれ? 声低かった気もしてきたぞ)画面いっぱいの数のキノコ型生命体が徐々に浮上してくるのだ……。

もう一つも、NHK教育テレビの「おかあさんといっしょ」内「でこぼこフレンズ」(懐かしい)のキャラクター、ケンバーンという奴である。

もうねこの二つがねテレビに現れた瞬間ぱっとテレビを消していたんだけど、我ながらあっぱれの俊敏さだったよね。

 

 

本の話だった。

まあ覚えてないけどいろいろ読んだ。定番に挙げられるだろう「ぐりとぐら」は、未だにどっちがどっちか分かっていない。

小学一年生のとき、夏休みの読書感想文。選んだ本は、「のぼさんのクリスマスツリー」

もっとも、自分で書いていないから殆ど覚えていない。本自体の中身はぼんやり覚えている。のぼさんが怪我をしちゃってクリスマスツリーが作れないあら大変! おおっとここで森の動物たちの援軍だ! 愛だね! みたいな話だった気がする。

ちなみに、これは母親が恥ずかしい文章を提出させたくないと文章を作っていたのだけれど(三つ上の姉についても同様に)、自力で初めて読書感想文を書いた小4、私は市か県かで最優秀賞をゲットというまあまあ秀逸なオチがある。

(作品は、「あなたの声が聞きたい」指定図書によくなるやつですね

https://books.rakuten.co.jp/rb/4024375/

)

 

 

懐かしくなってきたな。さすがに小学何年生とまでは覚えてないけど、ちょっと思いつく本を挙げてみたい。

 

絵本で言えばあれ、武田美穂さんの絵が好きだったなあ。読んだことのない同級生いなかったんじゃなかろうか。「となりのせきのますだくん」とかポピュラーですね。

とはいえ武田美穂さんて名前、なっかなか出てこなくて、絵本のタイトルも一冊も思い出せなくて、検索に打ち込んだワードが「やまだくん 絵本」だったんですけど、単に「あーあの絵柄だったらやまだくんって名前の人出てきててもおかしくないよなー」ってノリで見事ヒットしたから私絶対改造人間の素質ある。

 

 

全部画像貼ろうと思ったんだけどしんどくなってきたのでやめます

 

あと絵本で「バムとケロ」シリーズ! あ〜れは可愛かったですよねえ。もうアナタ図書室使うの? みたいな女の子たちがこぞって借りてって。ねー。なんだかんだJKにもハマりそうあれは。

 

いちいち書き留めていくと浮かぶそばから消えてしまう……こそあどの森、フェアリーレルム、IQ探偵ムー、パスワード探偵団、若女将、黒魔女さん、ああそうそう、怪談レストランがめちゃくちゃ人気だったっけ……シャーロックホームズを読むようになったのは小4だったかな小5だったかな図書室では競争率の低いこと低いこと大抵借りられてないから嬉しかったなあ……!

それになんといっても都会のトム&ソーヤ! 何を隠そう「神のみぞ知る」という言葉を知ったのはマチトムでした(何も隠せてない)。マチトムは大人になってもお金を貯めて全巻揃えたいと思ってるもん。

そうそうはやみねかおるも好きだったんですよね青い鳥文庫に、あったよね三人姉妹のやつ。青い鳥にはかなりお世話になったような。

はてしない物語ドリトル先生十五少年漂流記……エトセトラエトセトラ。

まあ懐かしくて思いつくまま書き連ねてみたけど、結局つまり、ハリーポッターを未だに読んだことがないという点を除けば王道の読書好きをそれなりに通ってきたわけです。全体的にはやや好みがミステリーに傾いてるなあ。

そういえば小5の時の担任が東野圭吾好きで、教室にいっぱい置いてくれたから私も読むようになったのはその頃かなあ。初めて読んだのは「パラドックス13」だった。

だとすると山田涼介を読み始めたのもその頃?? そのあたりはぼんやりしていますが、ひとまず児童書に絞ってみるとこんな感じ。

実は、小6前後で私の輝かしい小学校生活を覆いつくすようなハマり方をする小説(全13巻。唯一全シリーズ揃えた小説)があるんだけど、これはまた別のおはなし。

 

 

ようやく本題に戻る。(この時点で、すでに2400字。)

 

普段「初めて本で泣いたのって何?」と聞かれたら、迷わず「ブレイブ・ストーリー」と答えるし、手元に文庫で上・中・下揃ってるし、実はブレイブ・ストーリーについてはブログを始めたばかりのときに少し書いてるんだけど、とても大事な本。

手元に欲しい! と思ったのは、ブレイブ・ストーリーと、「一瞬の風になれ」(実はどちらも姉に買い与えられていたのを後で知った)、それからもうひとつ。

 

そのもうひとつというのが、今回話題に取り上げたかったもの。

出会ったのは小4か5か3くらい。

友達におすすめされた本。

やはり子供ながらに琴線というものを持っているようで、小学生の間にピン、と弾かれたのは先述の2冊と、この本だった。

 

虹色ほたる―永遠の夏休み

 

虹色ほたる 永遠の夏休み / 川口雅幸

 

 

もうね。泣けるよ感ぷんぷんしてますよね。もう表紙っからね。「永遠の」ってついた時点で御涙頂戴もの確定ですよね。

 

この本ねー、まあ一応別に児童書も出てるぽいけどハードカバーなのでレビューとか見ると酷評ですよ。そりゃ大人からしたら予定調和がすぎるのかもしれないさ。当時小3か4か5だった私だって結末は読めたよ。でもなんでだろうね、なんであんなに泣いちゃったんだろうね。

あれ? ていうかこれほんとに友達から勧められたやつだっけ? 逆に私が勧めたんじゃないっけ? 

と、まあ、記憶はところどころ朧げだけど、初めて読んでから1、2年必死に避けていて、ようやくまた手に取れる心持ちになって読んだのもまだ小学生だった。

よほど私のなかできらめいたんだろうと思う。なぜなら、今実家を出て、大量の本を実家に置いてきたなかで、この「虹色ほたる」は今の住処にきちンとあるのです。びっくらぽんや。

なんだかとても置いて行きたくない気がして。ウンウンと唸って引っ越しに連れてく本を選びながら、真っ先に考えなしに、ダンボールに詰めて。

 

父親はたくさん本を与える人間だった。

怒られないように無理矢理、満腹の胃に食料を詰め込むように読んだ本もたくさんあった。

出会えて良かったな、という本も思い返すと少なからずあった。(ハリーポッター以外の本は、読み始めるとハマれたけれど読みたい優先順位としては上位に食い込むことは少なかった)

 

思い返すと、

何度も思い返すと言うので裏のものも表になるし表のものも裏になるなあ(余談)

……思い返してみると、たくさんの本が浮かんでは消え浮かんでは消えていく。

たくさんの本に作られているんだなあと気付かされる瞬間だった。

相変わらず文章は下手ですが、

あなたの人生で特別な一冊について、「ナイショ」でもいいのでいつかお話したいな。

 

おまけのようにメリークリスマス🎄(イブ)

 

 

文字数、この4分の1で足りる説

 

2017.12.24