放課後、ヤツの言い分

でもなんていうか、きみは命の起源を知らないわけで、というのはつまり犯罪の果てやあるいは、山ひとつ燃やしてしまうような情熱的ラブロマンスの残骸がきみの誕生でないとは言い切れないわけで、そうなってくると人はみな、と、いうより、存在する命はみな、どこかおかしいのかもしれなくてほら、恋というものは神話のリバイバル、だってもんでさ、今じゃぼくらは揃ってかつて、太陽の子だったんだよといえどぽかんとする奴らばっかりなんだろ、体を燃やされずとも会いたいは叶うんだろ、きみはぽかんとしてるけど結局、ひとは熱にうかされることで続いてきたんだというわけ、江戸の火消しもびっくりな宇宙規模の大火事だよ、ところで星を命とぼくが呼ばない、そのわけ、わかったよねそうさあいつらはロマンスの果てじゃないからね。どっちかって言うと出発点だけですらある、そうなってくると人々にドラマを煽ったのも星々かもしれなく、指鉄砲のひとつやふたつひろーい心で許してほしいよね、気付いた? これが星に託されちまった神話たちのおどろおどろしい未練だってこと、地球はほんとは高速に逆回転しているという、唯一の学術的証拠だよね。ぼくだって輪廻に失敗しなければこんなところでキューピッドの教鞭取ってないや。べえっ。

 

 

『食材をみな贖罪ってゆう』