あなたのAV女優になりたい

触れに行った 無様なので 

タイムカプセルの時効も待たずに

背が伸びたね あたしも伸びたよ ほらヒール履いてるから

変わっててくれって願って寝た あたしは変わったので

涙を用意して行った ああもうあなたはいないんだねって泣くためだった

 

合唱が嫌いだったきみがドライブでラブソングを口ずさむ、もうなんでもいいよどうでもいいよ早く帰りたいよ嘘もうちょっと一緒にいたい

ああもう交われないねなんてきみには分かんないんだね 屈託無く笑うよほんと、なんのための涙だった 今晩

あなたのAV女優にして 

あなたのAV女優にして

バイバイしたあときれいになったなってあたしでヌイて

それでもあなたは蝉の寿命を知らなかったの

 

 私が紆余曲折してようやくたどり着いた、と感動する正解も全体から見たら「そういう人もるよね」の一つに過ぎないんだなあということに気づく。そう思うと、他人の集団で生きるということは(組織ほど細かい集団ではなく、ざっくりと人間社会)なんて難しいんだろう。ましてや、他人同士がお互いによって幸せを獲得していくなんてことは。そういう希少価値だからこそ、素晴らしくて泣けてしまうのかもしれないけど。そういう意味では、ベタだけどやっぱり自分の力になってくれるのは自分しかいないよな。

 

 私は幸福至上主義でも生命至上主義でもないので、死にたいことが全く悪いことと思わない。自分のことを死にぞこないだと思ってる。でも、今生きているという結果が残っている以上私は死ななかったわけで、こう何度も死ねない絶望の夜を数えると「私は自殺できないんだろうな」と分かってくる。感情論じゃない。もうなんか、統計的に。

 それならば、同じ生きてる状態なら、やっぱり楽しいほうが良いかなあと思うのだ。どうせ死ねないなら、生きていなきゃいけないなら、辛いより楽しい方がいい。幸福がそんな簡単なものじゃないことを分かりながら、それでも欲しがっていいじゃないか。そう思う。

 何を幸せとみなすか、そういう「幸せのモト」みたいなものはそこらじゅうに転がっていて、手当たり次第にゴミ拾いをするように、片っ端からセンサーが反応する人はいるのだと思う。そして、自分のセンサーは相当我儘なのだろう、ということも分かっている。だってそんなんだから私は大抵生きたくない。そんな私が、あれはイヤこれはイヤと喚きながら「それでも幸せになりたいの!」と叫ぶことは滑稽かもしれない。惨めかもしれない。哀れまれたり、笑われたりするかもしれない。でも、私が願ったり拒んたりしたものによって被る利益も不利益も、私だけのものだ。惨めになるのもそれでまた死にたくなるのも私自身のみだ。だから、他人に笑う資格なんてないのだ。そう言おう。だって死ぬ選択肢を結果的に捨て続けているチョー頑張ってる私が浮かばれない。

 

 幸せにゴールはないんだと思う。日常が今よりよっぽど素敵な日々になっても、私はきっとまだ駄目で辛くて喚いてはもがく。きっと、そうしているうちに死んでく。幸せになった、と宣言をする前に死んでいく。

 アン・ハッピー状態はたくさんのものを私にもたらすけど、それが何にも展開されないまま死んでいくなんてたまったものじゃない。安直に生きる意味を定義するのはごめんだけど、それにしたって生まれてきた意味なさすぎない? 案件である。ありがちな「不幸こそ賢」を説いたって私は生きなくてはいけないし、生きなくてはいけない以上死ぬまで死ねない。死ねない以上生きてる時間は続いていく。だからいいじゃないか。欲しがって何が悪い。私は私にそう説く。

 

 自分が自分を好きでいられる道を選び取る。ようやく、そこへ手を伸ばすことができる。私をここへ導いた沢山の苦しみや悲しみ、それ自体ではなくそれらを受け止めてきた過去の私自身を慈しみたい。「死なないでくれてありがとう」といつか先の私が言うことがあるならば、今これを書いている瞬間の私は全水分を明け渡して泣く。これは死に損なった夜との決別ではない。スイッチの切り替えみたいに明確な希望でもない。ただ、シンプルに宣言する。誰が何と言おうと、この世の全ての尊さに微塵も劣らず、私は精一杯生きている。

 

 

 あたしはとても臆病で負けず嫌いでプライドが高いからあたしが誰かを求めることはとても恥ずかしいことだと思う誰かと繋がりたいと願ってそれを声に出してみることその声が聞かれてやまびこしか返ってこないのを聞かれてしまうことをあたしはとても恥ずかしいと思ってしまうあたしは臆病だけど心の底で強く強く思っている誰かと繋がっていたいって あたしが誰かを求めても誰も裁きませんか責めませんか笑いませんかいつかそんな確信ができる日が来るなんて想像もつかないいつもひとりでいる孤独の味をよく知っている人と過ごすのはしんどいけれど本当はあたし寂しがりなんだけどそんなことを主張して許されるのは寂しいと一声ですぐにみんなが集まってくる可愛い子なの

 

あたしが才能のなさを嘆くときそれに賛同するのはあたしより全っ然才能のない子であたしが苦しみに向き合うときそれに賛同するのはあたしをまさしく同じように軽んじてくれた子であたしの尊敬する人はもちろんそんなことあってはいけないのわかってるけど絶対あたしのこと見ないの あんたなんかお呼びじゃないわよと口の中で呟きながらそうよねでも仕方ないよね本当の意味であなたなんかあたしの価値わかれないよねだから仕方ないよね絶対あんたみたいなのに分かられていいようなレベルじゃないんだから分かった顔して自己陶酔に浸らないでよね

なんて思ってたら本当に好きな人にこそ嫌われてしまって嫌いな人にはどんどん好かれる寸法でもはや相手はあたしが嫌いなのを分かっていて嫌がらせとしてつきまとってるんじゃないかなんて考えてみたり あたしはひとりだなんて言うけどそういう人たちがいるでしょうそうやって弾いて弾いてというお説教うるせえなあんな人たちに好かれるようなレベルでいたいわけないでしょなんでひれ伏さないのあたしは高嶺の花だそんな薄っぺらい言葉であたしを語るな 他人のこと見下してるんでしょと言われてああそうだよと言ってやりたかったあたしの好きな人は世界でも本当に素晴らしい人のはずでねえ怒るなり勝手にしたらいいけどずっとあたしを一人にしてきたのはそっちじゃないか話も通じず分かってくれる人も理解しがいのある人もいなかったじゃないか天才が才能ゆえに孤独になるならあたしも孤独になるのを許してずっと自分を下げて耐えてきたの話が合わないたびにあたしがバカだからいけないんだって必死に言い聞かせてきたのずっと自分を否定し続けてきたのもういいよ あたしそろそろ身の丈相応になってもいいでしょお前らバカばっかだよ 自分のレベルに合わないからってあたしを笑ってんじゃねえよ低いのはそっちだよ分かれよ分かんないよなそれすら分かれるならあたしたちとっくにトモダチできてるよなバカに合わないからって弾いて否定してそういう蹂躙もううんざりだよあたしの価値を分かれないのはお前らがバカだからだしいくらお前らが薄っぺらい言葉使ったところであたしを解釈なんかできねえよ なんで同じステージにいなきゃいけないの気持ち悪い

 

フォローのつもりで過剰な褒め言葉を吐く奴は嫌いだそんなあからさまに嘘みたいな言葉あたしがあたしのこの至高のセンスでもって見つめてきたことをそんなテキトウな言葉で流してんじゃねえよあたしより頭の回転が鈍い人に頭いいねーと褒められてもあたしより音痴な人に歌上手いねーと褒められてもインナーが見えてる格好を自分に許せるような身だしなみの人にどれだけ可愛いと言われても2+5が分かって偉いねーって言われてるみたいだ 可愛い服も可愛いメイクも女の子女の子したもの、ものすごく心を切り離す痛みで諦めてきたのにそんなの知りもしないくせに気安く似合うなんて可愛いなんて言うなよ なんであたしこんなブスなんだろうって泣き明かした夜をそっちのテキトウな感性を理由に否定してんじゃねえよ非建設的な馴れ合いをしたいんじゃなくてあたしはアドバイスが欲しいだけなのに ブスでいたくない可愛く見られたいってそんな執着諦められたらすぐに楽になるのに だって芋だからそんな簡単に蔑ろにしてくれるんでしょあたしは高嶺の花になりたかった 容姿でも何でも気後れして崇めざるを得なくて簡単に気安く蹂躙しに行けない人間になりたかったそうしたらあたしはあたしを守れるとおもった

 

あたしが天才でハイセンスでハイスペックなのはあたしにとってだけだから好きな人への全肯定は届かないし嫌いな人への全否定も響かない あたしなんかに否定されても誰も痛くも痒くもない 虫に噛まれたとすら思ってもらえないかもしれない あたしはあたしの面倒くさくてキツい性格をよく分かっているからあたしが肯定するものは本当に素晴らしくて客観的にも価値の高いものだと信じているけどそんなのはたから見たら大したことない あたしの全肯定は届かないあたしがあたし以外にとって無価値だからでもそんなことに安心していると傷つけたくない大事な人が勝手に傷ついてしまうこの文章だってそうなように あたしは何かを否定して貶めたいとき該当する人間が読むところでは絶対書かないというかあたしが嫌いなもののを話をするのは好きな人の前でだけだだって嫌いな人に向かって別の嫌いな人のこと話したら「自分のことも話されてるのかな」って勘繰られるでしょそれめちゃくちゃムカつくもんあたしは負のエネルギーが強いから嫌いな人にはあなたに興味がありますよという要素すら伝えたくないでももちろんめちゃくちゃな理屈って分かってるあたしが歪んでるのが悪いって分かってるでも現時点であたしはこうしか生きられないのでそれは改善の努力を怠るという意味とは全くの別次元の話であたしはあたしの中の負の感情を否定して見て見ぬふりをするつもりはないというだけの話 それでも言ってることはクズだからほとんど好かれません だからあたしを好いてくれる人はほんとは極力大事にしたいけど前述のあれみたいなアレでセンスの悪い人に好かれて気持ち悪いみたいなことが大半になる本当に難しいのは好きな人に好かれることじゃなくて好きな人をこちらが好きなまま好いてもらうことでしょ

 

あたしは天才なのでハイセンスなのでみたいなことを命綱みたいに無理して唱えてると自信家だねお前なんか大したことないよとクソ有難くもないことに連発してくる人がまさか実在したんだけどうるせえなあお前みたいなのがいるからあたしは自己肯定感持ってねえんだぞと思うこれただの蹂躙なんだけど本人があたしを理解してあげられるスタンスでグイグイ来るから気持ち悪すぎる何様なの気持ち悪い 誤解のないように言っておくとあたしは謙虚を強制されてきた人間なので謙虚が美徳とは絶対言いたくないし謙虚な姿勢で褒め言葉を送ってくれる人はとても丁寧な方で嬉しいなと思うけどそれを模範解答だ! と祭り上げる気はない好きな人には自分を肯定していてほしい あたしはものすごく頑張って成長して吸収しているけどあたしは無価値なものだと強い思い込みだけは本当にいつまでたっても拭えないしなんなら強まっていくな生きていることを許される気がしないから生きてるだけで苦しいよ影であたしが必死に生きてるのも笑われてんじゃないかなくらい思ってるあたしは愛されたいのだ惨めにどこまでもみっともなく、それでも本来ならそれを誰がみっともないと言えようか嘲笑できるだろうかどいつもこいつも愛されたいくせに愛されたいなんてメンヘラぁとか言っておめでたいな死にたいと思ったこと一度もないなんて羨ましいけどなりたいと思わないよそんな薄っぺらい頭じゃ思考の楽しみも感性の感動も知れなくて可哀想ああはい僻みだよなんでもいいから楽になりたいんだよ死にたいのは他に方法が思いつかないだけだろ

 

 

自分が食い物にできる程度の女がベッドばかり書いてたら興奮しますか? 想像力凄いねって表現を褒める体で鼻息荒げて気持ちいいですか? 私はさあ私を透かして見てもらうために書いてるんじゃないんだよその口に喉の奥までゴムでも詰めて窒息させてあげようか

不良少女、寝ぼけ眼のひとりごと

 

誰かのために言葉を選びたい。

贈り物を選ぶときのように。その人のことで頭をいっぱいにして、棚から商品をとっかえひっかえして、その人で頭が埋まる時間が欲しい。

 

頭のてっぺんから、噛みつくように愛して - まだかのふみもみずに という作品がある。私が初めて満足する出来で書き上げられた小説と言っても過言ではない。私は未だにこれを超えたものは書けていないと思う、つまり、このときの切実さで、そして、このときほどの的確な感覚では、何も。超えそうという手応えのものもあったが、そうしたものは未だに完結へたどり着かない。

私は、この作品がとても気に入っている。もちろん拙いけれど、素敵だな、と思う。こんな風に、全てが私の中でリンクしていくように言葉やシーンが生まれていったのは初めてだった。心地よかった。あれはなんだったのだろう。あまりにも魔法的すぎた。

なぜか。たぶん、わかっている。これは、私がとある人へ捧げた作品だからだ。彼女に読んでもらうために書いた。かつての大切な友人だった。価値観は逸れて道が割れゆくかもしれないと見えたとき、「頭のてっぺんから、噛みつくように愛して」という言葉と大枠の展開が頭に浮かんだ。書いてみよう、書いてみるくらいいいじゃないか。別にストーキングでもないしラブレターでもないんだし。

私の見えている限りの彼女について、私は来る日も来る日も考えた。響かせたかった。届けたかった。共感するって言わせたかった。ねえだからあなたは間違ってないんだよって。あなたを肯定する人はここにいるよった。私は彼女に伝えたかったのだ。わかってほしかったのだ。だからあなたをあなたは否定しないでと。そしてあわよくばーーいや、意地なのだろうこれは。あわよくば、じゃない、本当は一番奥でずっと叫んでいた、ずっと前から。「私を見て」。あなたを強固に見つめる私を、あなたは見ていて。せめて私だけを、複数人の集団のなかで間違っても私だけを無視したりしないで。

こんなに共鳴、そして視界をアップデートさせてくれる人がこの世にいるなんて。そう思っていたのはきっと、私の方だけだったということなのだろう。わかっている、それを責める権利は私にはない。拗ねるなんて、駄々をこねるなんてーー付き合っていてくれたのは向こうの方なのだから。

ねえ、わかるって言って、あたしのこと? って思って泣いて。私があなたを見つめていたことに気づいて、逃げないで。なんでもない風に連絡をした。「小説書いてみたんだけど、読んでくれない?」読ませてと返事が来た。私はデータを送った。そのあと、返信は来なかった。

 

しばらくして、彼女と二人で会う機会があった。私は決して催促じゃないよって、あなたに読んでもらいたいなんて傲慢を抱いてないという身の潔白を証明するきもちで、ふと小説の話題を持ち出した。「たい焼き食べたいって、最近ずっと言ってたんだ」と彼女は言う。「わかる、って思った」私は泣きたくなる。あなたにそれを言わせたかった。けれど、けれどーー私は気づいてしまった。

あなたは私が水を向かなければ触れるつもりもなかったのだ。

まだ読んでないと嘘をつくことだってできた、私はそれを聞くことになるだろうと確信までしていた。それなのにちゃんと彼女は読んだことを認めたし、読んだうえで、私の聞きたかった一言を、その中身を伴わせないまま聞かせて私を喜ばせておいて。

だから、つまり。

届かなかったんじゃない。届いた。届いたうえでーー響かなかった。大事に深く触れるほどの価値は見出されなかった。

 

当時の私の全てを注いだ作品だった。

これで彼女の心に触れさせてもらえないなら、一生無理だと、それは諦観ではなくそれほどまでの自信だったのだ。

 

それは、たぶんちょうど一年前くらいの頃だったのだと思う。

誰の心にも触れさせてもらえないなんて、そんな人間は価値がないと思った。今思ってないわけじゃないけど。

私の言葉にはそんな価値もないのかと思って、しばらく何も書けなくなった。書いても書いても文字が腐る。全てゴミのようだった。吐き気がした。

かと思うとこんなの響かない方が悪いと、内心で彼女を無茶苦茶に攻めることもあった。いつもそのどちらかだった。ほんとうに誇張抜きで、燃やしていたのだなと思う。命を燃やして、魂をおろし器で削って、その破片で書いた物語だった。何度も全て嫌になってブログから作品を消したけど、結局大切で戻して、そんなことを繰り返していた。

彼女とは、もう連絡をとっていない。拒まれるのを好むほど、私はマゾヒストではなかった、残念なことに。

 

 

贈り物のように書くことが好き。

私はたぶん自分のために書くことはできないのだと思う。

否。

書くことはできる。だって現に毎日あげる作品たちは全て私が生きるために私が書いた文章だ。私が選んだ言葉たちだ。

けれどそうしたものなど、贈り物を前にしては醜く脆く崩れゆく。

お題箱に届くお題。誰か分からない、知らない人からの言葉にときめいて、その人はふだんなにを考えているのだろう、どきどき考えながら、濃く、書く。色がついて、風 - まだかのふみもみずに とかね。これは何ヶ月もあたためて、ある晩一気に書き上げた大切な詩。

まばたきほどのシンデレラ - まだかのふみもみずに という作品もある。フォロワーさんの誕生日に書いた小説。「頭のてっぺんから、噛みつくように愛して」に比べるとだいぶ劣悪だけれど、久しぶりに強い思いで書くことができて嬉しかった。私には言葉があるんだなと思えた時間だった。誕生日には到底間に合わなかったけれど、相手は素敵な感想を書いてくださった。届いて、響いたんだな。その頃にはたい焼きの呪縛から逃れ、多少筆を軽くふるうことができていたけれど、それでもしみじみと喜びはしみた。そしてもう一度たい焼きのことを思い出して、悲しくなって泣いた。

届く人、受け取ってくれる人、届かせてくれる人。響く人、響きうるという姿勢で受け取ってくれる人。思えば、何かを感じないように彼女は必死だったんだな、とぼんやりわかる。私に響かれることを頑なに拒んでいた。仕方のないことだった。どちらにとっても。

 

私はたぶん、誰かのことで頭が埋まることに焦がれているのだと思う。私にとってとても大切な「書く」ということを、とても大切な相手に使いたい。使わせてほしい。それで苦しくなったりすらしたい。傲慢だと言われようとも、だって、人と繋がりたいじゃないか。なんだかんだ言っても本当は人ってひとりじゃないよね、って思いたいもの。私が命を燃やして書いた言葉が、あなたの命をきらめかせたらそんな素敵なことはないじゃない。そんな泣きたくなるような、泣いても泣いてもどうしようもないような、死にたくなるような素晴らしいこと、ありえてほしいんだもの。

 

拝啓、拝啓、拝啓。私はいつだってあなたに代入できる人を探している。

わたしと全く、全く同じことを呟いた人がその人がその人だって理由なだけでわたしの何倍も反応をもらう何が違うんだよクッソわたしの方が早かったのにわたしを見てよわたしだけを見ててよちゃんとわたしのこと見ててよわたし以外誰も見るなよ解釈は支配できなくて血反吐を吐くような思いで絞り出した何百何十何文字を気楽にハートを押すああいいよなわたしの言葉を見る人はそんな時間を過ごさずにこの言葉に出会えるんだもんなでも別にその人にとってその言葉はなんでもなくて流れていく時間の中を掠めていっただけの消費物あるいはそれですらない分かっているよ掠めたことだけでも幸せって言うんだろそう思わなくちゃいけないんだよなほんとは見てほしい届いてほしい響いてほしいでもそんな簡単に分かられたくないわたしの生きた道の外にいるくせに分かられなくても腹が立って気安く共感されても腹が立つじゃあどうしたらいいのほんと救いようないよなお前はただの駄々っ子野郎だでもねわたしにとっての正解を選び続けてきた道誇りを持ってる自信がある傲慢だとか説教が始まるうるせえなわたしの代わりにわたしを生きられもしないくせに無責任に言いやがって誰かを導いている陶酔にわたしを使うなよわたしを生きられもしないくせにどうしてこんな命を燃やしてはたから見たらアホみたいに文を書くそんなことして一人は変わらないのに夢だって戯言だってそれじゃあ駄目なの誰かに見つけてほしいでしょアホみたいな激しさの海のなかであなたは私で私はあなただって言われたいでしょわたしの全てがつまりは湧いた言葉がそこへ導く生き方が正解だって肯定されたいでしょ他人じゃなきゃ意味がないでしょねえなんでこっち見てくれないのって言ったら流行りのなんちゃらだって言うメンヘラとかヤンデレとかうるせえなお前だって愛されたいくせに見つけられたいくせに認められたいくせに趣味って何?息抜きとか何書くことが全てでほぼ命みたいなものでそれの何が駄目ですか生きてる生きてるって思いながら生きるのの何がダサいですか薄っぺらでなにも通り過ぎていけちゃう頭自分が正解って顔をしてちゃんちゃらおかしいってのうるせえガムテで口塞ぐぞいっやあ結局実力不足とか言われたら返す言葉もないけど世間の中で最高位に達してなくてもわたし史上は常に最高更新してるしいははっでも何様なんだよとか思いながらこれ読んでる人がいたらたまんないなわたしはマゾって言い聞かせて興奮するふりでもするしかないかもなんて保身して自分もうざ縛り上げられて逃げられずにわたしの言葉を聞けよ何も分かれないならそのまま永眠しちゃえよ

醜いは美しいって美しいってとこまで書くなんてダサさが過ぎるから醜さだけ書けばそこを切り取って語られる俯瞰してる痛々しい少女がそこにいたことは気付かれもしないセックスばっかり書いてるから実体験書いてるんですかあと尋ねてきた野郎バカじゃないの気持ち悪いねあたしの年齢を聞いて声が弾んだお前はなあじゃああたしがミステリーばっかり書いてたら実体験ですかって聞くわけバカじゃないの殴り殺したい蹂躙する人間にあたしの言葉を読む資格はない好き勝手に解釈して喜ぶひとたち気持ち悪いあたしはあなたの心を掬いあげるためになんか微塵も書いてない素人で自分にとって特別価値もない文章のことのそんなガチな話はごめんだってうっせ素人でもセックス下手なら不満なくせにあの人が好きで会えなくて苦しくて今晩も眠れないなんてそんなことを書けばたくさん褒められていいねなんて言ったらやばいね何億人敵に回すんだろうね死にたいと思ったことも死ななくて自分を責めたこともない人に握手されたくなんかないナンセンスダサい大っ嫌いわたしの大事なものを見てわたしが命をもって決定してきたことを見て社会からはみ出して疎まれて寂しくて必死に生きてるそれでも無我夢中で生きてるあたしの命を肯定しろわかってるよこんなこと言うから駄目なんでしょでもそう思っちゃうもん仕方ないもんだって他にどうすることもできないし客を選り好みするなって怒られた他に道があったらあたしはあたしをやってないじゃんどう考えてもそうでしょ今誰を生きているかが答えでしょ歳だけとって人生の何も還元できてない人間は年齢だけ理由にしてでかい顔してるなよ恥晒して興奮してるのマゾなのいっそそうであれよそうじゃないと理解できなくて気持ち悪すぎるから感情を愛せないなら生殖ロボでもやっとけ寝ても覚めてもむやみやたらに腰振ってろあたしがあたしに最高で何が悪いの