ベリーベリーストロベリー

リミットは五ヶ月と決めていた。それは、私が何も知らずにのうのうと生きていた時間だ。 一ヶ月目は、図々しく自分を責めることにした。ことにしたというか、そうすることしかできなかったのだ。私は愚かだから。 二ヶ月目は、平然と生きることにした。それ…

天使の正しいラブソング

「生きてても別にいいことねーよ、って言われたほうがまだ信用できない?」 チーコがそんなことを言ったとき、わたしはちょうどうまい棒のコンポタ味を口に突っ込んだところだった。これは即答を求められているやつだぞ、と思いながら必死に口に入れてしまっ…

天気の子をみてきた * 直後の書き殴りなので中身はない、念のためネタバレ踏みたくない方にはおすすめしません * 世界が、この世界が、たったひとつの恋だけでできていたらいい。たったひとつの恋のせいで存在していて、たったひとつの恋で滅びてしまう場…

サマー・ピリオッド

世界が終わるから、夜を見ていようと思った。世界が終わるのを知るのは僕だけで、だから街はいつも通り生活の明かりが灯り、僕だけがそれを切なさを持って見つめていた。夜に会おうと、約束していた。七日後の夜に、会おうって。だから僕はあの子を待ってい…

蛇のピアス

学生時代の記憶の中で、窓際に関する記憶には、必ずひとつ、こがねいろにうつくしいものがあるのだという。 わたしで言えばそれは高校二年生のときの確か三度目の席替えのあと。窓から三列、後ろからは二番目の悪くない席で、わたしは一度だけ、絵画のような…

*天橋立大賞2018

昨年から私が勝手に開催している、その年一番のオリジナル作品を自選する「天橋立大賞」の季節がやって来ました。 今年はどうしても1つに絞れないので、4つに受賞させたいと思います。 順番は作品の発表時期に沿って。 ◇◆◇ 唇以外で封じたい、唇みたいにして…

軌跡

星が、落ちてくる。 爆発は遠くで見るから美しいのだーーとそのとき気付く。閃光はいくつにも割れて、落ちてくる。ここに来るのだ、ということに、予感めいた確信で、気がつく。地球全土の、ただ一点、緯度経度私の地点のみを目指して、星は、落ちてくる。 …

服従させたかったのかもしれないな、と思う。身の丈相応に、相応以上に認めろ、だとか。そういうのは全部「足りなさ」の蓄積が果たした断続的な爆発なのだろう。認めて認めて認めて認めて認めて、いつだって心は叫んでいた認めて。屈して、というのも結局は…

生夏【残暑見舞いネプリボツ作品】

夏をノックして君はやってきた 「ごめんね、お待たせ。探したよ」って あの夏に死んどけなかった僕らへの燻る線香で僕以外がまた死ぬ/あの夏 灼熱地獄に身を投げて(プールサイド) 死ねなかった僕らのピリオドは空を舞う/あんな中途半端に水で薄めた絵の具…

行かないでマーメイド

海辺に立っていた。 まるで、夢の中で、抽象イメージに潜り込んだかのようにさらさらとした砂浜と、エメラルドグリーンが広がっていた。 わたしはそこにすっくと立ち、熱心に口説かれているようだった。 「きみの生きられる場所を、作るから」 作るも何も、…

いつも考えていること 快楽を理由に、他人の人生を所有する権利を得られるんだとしたらこの世は偉人で溢れている。それでも、快楽が製造元となって自分が一から作れる小さい人間が発生するんだ。親なんて、みんなろくでもない。そんな魅力的なニンジンを豊か…

【お題箱 僭越ながら回答編】 https://odaibako.net/detail/request/1c68a688835b48689b9f76fa832ef7a7 メッセージくださってありがとうございます。 普段では到底得難い、そのような印象を持ってくださるような、そんな方がネットで私を見つけてくださった…

. げんじつは、美人の書いたつまらない文章にいいねが殺到するのでしびあーなひげんじつで生きていたい しびあーで構わないので そんな本質からずれたところで評価されるくらいなら真っ当にこき下ろされた方がましだ

門番はアルタイル

記憶を頼りに訪れたその場所は、どうやら正解のようだった。満天の星がそう告げていた。都会から外れ、人工の明かりはほとんどない。道中にあった民家も、目的地に近づくにつれ少なくなっていた。(……から、……は……んだよ) 目に涙が滲む。この場所を教えてくれ…

あなたのAV女優になりたい

触れに行った 無様なので タイムカプセルの時効も待たずに 背が伸びたね あたしも伸びたよ ほらヒール履いてるから 変わっててくれって願って寝た あたしは変わったので 涙を用意して行った ああもうあなたはいないんだねって泣くためだった 合唱が嫌いだっ…

私が紆余曲折してようやくたどり着いた、と感動する正解も全体から見たら「そういう人もるよね」の一つに過ぎないんだなあということに気づく。そう思うと、他人の集団で生きるということは(組織ほど細かい集団ではなく、ざっくりと人間社会)なんて難しいん…

ベタ甘掃溜 過去作品編

いずれも2年前とかに書いたやつです . . . . . . . . . なにこれ? 髪抜けそう

あたしはとても臆病で負けず嫌いでプライドが高いからあたしが誰かを求めることはとても恥ずかしいことだと思う誰かと繋がりたいと願ってそれを声に出してみることその声が聞かれてやまびこしか返ってこないのを聞かれてしまうことをあたしはとても恥ずかし…

自分が食い物にできる程度の女がベッドばかり書いてたら興奮しますか? 想像力凄いねって表現を褒める体で鼻息荒げて気持ちいいですか? 私はさあ私を透かして見てもらうために書いてるんじゃないんだよその口に喉の奥までゴムでも詰めて窒息させてあげようか

不良少女、寝ぼけ眼のひとりごと 誰かのために言葉を選びたい。 贈り物を選ぶときのように。その人のことで頭をいっぱいにして、棚から商品をとっかえひっかえして、その人で頭が埋まる時間が欲しい。 頭のてっぺんから、噛みつくように愛して - まだかのふ…

わたしと全く、全く同じことを呟いた人がその人がその人だって理由なだけでわたしの何倍も反応をもらう何が違うんだよクッソわたしの方が早かったのにわたしを見てよわたしだけを見ててよちゃんとわたしのこと見ててよわたし以外誰も見るなよ解釈は支配でき…

今、書かなくちゃいけないこと。 * こういうことを、登場人物の語り口で書くのはありふれているのに「私」を主語にするとなぜ途端に駄目になるのかわからない。理解されないかもしれないけど、書いておきたい。 これは、今書き留めておかなくちゃいけない。…

しこり

そんなことないよぉって 言って言って言ってたら死んだ 嘘の潤滑油に唾液を回してたら それを飲んだカレが美味しいって言った ホームじゃイケて イケてイケてイケてないとおもうの ベッドじゃまるで イケてイケてイケてばっかだし 目が覚めたら鳥になってた…

凹と凸だけの狂想曲

どうして上手く鳴けないんだろうどうして上手く舐められないんだろうあたし、歳だけが取り柄のあたし顔もイケてない痩せようと思えば痩せられるけど本気出してないだけでとはいえ胸もあるわけじゃないしいやサイズ的にはあるけどイメージって先走りすぎてる…

もうこんな汚い世界にいたくない。 感性が死んだ奴ばっか。 美しいものの美しさを感じることができず、痛ましいものに触れて悲しみのあまり泣き出すこともない。 人の感じ入るものに対して、感じ入るという発想自体を持つことができず、尊重して接することも…

色がついて、風

https://odaibako.net/detail/request/18325ab69c36493284609af021f22c19 好きだという言葉が憎くて 届かないのを知っていて 届けちゃいけないことも、届けられないことも知っていて この気持ちがひっくり返って君に後ろ足で砂をかけることのないように そん…

智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角も人の世は住みにくい。 住みにくい。 住みたくない! 毎日、結果的に毎日になっているだけだけど毎日、あーあ地球破滅しねーかなと祈っているふみちゃんです。 先々週あたりにコンタク…

それでもデモデモ狂想曲

シルエットが駄目。こっちはサイズが合ってない。配色が無理。ラインの色の濃さがダサい。トーンの明るさがダサい。雰囲気と合わない。ボロい感じがナシ。丈がヘン。靴がダサい。髪がこれじゃ正解じゃない。色が不愉快。毛玉ダサい。モサい。ガキ臭い。背伸…

食生活の改善を決意したその日の夜にごりごりのジャンクフード。笑っている。ちょっと胃は不服を申し立てている。1日分のビタミンを謳った実質ただの砂糖水を片手にPCに向かう。時計は22時を過ぎている。寝起きに立てた生活改善計画によると、私は1時間前に…

謹賀新年 2018年になりましたね。まだ2017年だよ、何なら、え? 今年2019だよ? と言われても疑わないかもしれない、そんなここ3週間でありました。 どうやら干支では戌なのだそうで、もっふもふの年ということになりますね。わんこもっふもふ。もっふもふー…